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メタボ対策で生活習慣病を予防しましょう

2018.10.27 ガン グルメ ダイエット タバコ メタボリック・シンドローム 人間ドック

【メタボ検診(特定健診)とは】

先日、当クリニックの看護師が友人の女性と話をしていたら、特定健康診査を受けない理由をこう語ったそうです。

「検査の最初に体重を量るでしょう。あれがイヤなのよ。若いころより太ってしまったし、怖くて最近は体重計に乗っていないの」

こんなふうに思っている女性、あなたの周りにもけっこういるのではないでしょうか。

でも、「若いころより太ってしまった」と自覚している時点で、すでに検査を受けなければいけない理由を一つ抱えていることになるのでしょう。

特定健康診査とは、メタボ検診とも呼ばれています。メタボとは、メタボリックシンドロームの略。内臓脂肪型肥満に高血糖・高血圧・脂質異常症のうち2つ以上の症状が出ている場合に、そう診断されます。

〈メタボリックシンドロームの診断基準〉

◎必須項目(内臓脂肪型肥満)

へその高さで腹囲が男性85cm以上、女性90cm以上

◎2項目以上が該当(高血糖・高血圧・脂質異常症)

1)血圧 130/85mmHg以上

2)空腹時血糖 110mg/dL以上

3)中性脂肪が150mg/dL以上 かつ・または

  HDL(善玉)コレステロール 40mg/dL未満

【なぜ、メタボを防がなければいけないのか】

なぜ、メタボが問題になるのでしょうか。

それは、生活習慣病につながっていく病気だからです。

今、日本は急速に高齢化が進んでいます。現在の高齢化率は27.3パーセント。4人に1人が65歳以上です。それが、2060年には65歳以上の人口が40パーセントにまで達すると国連が推測しています。なんと、日本人の約半分が高齢者という時代がくる、ということです。

そうしたなか、生活習慣病が原因で亡くなる人も多くなっています。死亡原因の約6割をしめているのです。その死亡原因とは、心筋梗塞などの心疾患、脳梗塞などの脳血管疾患、糖尿病、高血圧性疾患です。ここにがんも加わります。

肥満は大腸がんと乳がんの原因になり、飲酒は大腸がんと食道がんの原因になります。塩分過多の食事は胃がんの原因に、たばこは食道がん、肺がん、胃がんの原因になるのです。そして、糖尿病はすべてのがんを増3割増やす原因になります。

こうした命の危険性と隣りあわせにある生活習慣病の背景に、メタボリックシンドロームがあるのです。これを防ぐには、今、自分の身体がどのような状態にあるのか知ることが大事です。そのためにこそ、メタボ検診はあるのです。

【メタボ改善にむけて大事な一歩を踏み出そう】

男性は40歳を超えたところから、メタボの発病が急激に増えます。過食や運動不足などのツケが回ってくる時期だからです。

女性の場合は、閉経前後からメタボを発症しやすくなります。では、50歳ごろまでは生活習慣病の心配がないかといえば、そんなことはありません。健診では正常といわれることが多いため40代までは油断してしまうのが女性の特徴です。体重が適正値を超えていたり、食事や運動に問題があったりする場合には、早めに改善していくことです。そうすることで、生活習慣病の発症を予防できるのです。

では、メタボリックシンドロームを防ぎ、あるいは改善するにはどんなことに気をつけるとよいでしょうか。

今号では、今日から始められる方法を一つお教えします。簡単に実践できるけれども、非常に大事なことです。

それは、「食事の配分を変えること」。現在、多くの人の食事の比率は「朝食:昼食:夕食」が「2:3:5」といわれます。これをせめて「3:3:4」にまで整えましょう。「4:3:3」にまで整えられればベストです。

なぜ、食事の配分を変えることが、メタボの改善に大事なのでしょうか。

夕食を食べすぎたり、朝食をぬいたりすると、肥満になりやすいためです。

これは、私たちの体内環境を整える「ホルモン」の働きによるものです。そのホルモンの名前を「オレキシン」と呼びます。オレキシンをコントロールすることは、ダイエットにおいて重要事項の一つです。

なぜなら、オレキシンにはエネルギー消費を高める作用があるからです。ダイエットの際、カロリー値を気にする人は多いでしょう。カロリーとは、エネルギー量を表す数値。人の身体は、摂取するカロリーが消費するカロリーを上回ると、その余剰分が脂肪組織に蓄えられることになります。これが肥満の始まりです。そうだとするならば、エネルギー消費を高めるオレキシンの働きを活用すればよいのです。

オレキシンは、夜間に分泌が低下します。夜は日中と同じものを食べたとしても、消費カロリーが低くなります。そのため、夜に食べすぎてしまうと、脂肪が蓄えられやすくなるのです。よって、夜は食事の量を減らすと、非常によいダイエットになります。

一方、朝食を抜いたり、量がとても少なかったりする人も多いでしょう。「食べる量を減らしているのだから、それが肥満の原因になるわけがない」と思っている人もいます。これも間違い。朝の欠食は、肥満の原因になります。日常生活を送るために必要なエネルギーが不足するからです。

体にとって第一に重要なのは、生命を動かすためのエネルギー。私たちの身体は、内臓を動かしたり、体温を保ったり、血液を流したりすることでも、多くのエネルギーを消費しています。

そこが十分に得られてこそ、行動のためにエネルギーが回されます。

「さあ、これから一日が始まるぞ」というときに、十分なエネルギーが入ってこなければ、人体は生命活動に必要なエネルギーを確保するため、行動に必要なエネルギーを節約するしかなくなるのです。

こうなるとどうでしょうか。朝から疲労感がぬけない、やる気が出ないという状況がつくられます。それによって消費エネルギーが減少し、身体はますます太りやすくなります。

だからこそ、ダイエットを志すならばまず、食事の配分をかえること。

午前中は、一日のなかでもっともエネルギーを消費しやすい時間帯。朝は少々食べすぎたところで、オレキシンがエネルギーの燃焼をサポートしてくれるので、太ることはありません。

朝ご飯をしっかりとり、夜は少なめですませる。この食生活を基本とすることはメタボ対策になるのです。