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腎細胞がんとは

2020.08.30 ガン タバコ 人間ドック 医学一般

先日おぎやはぎの荻さんが腎がんであることが発表されました。

有名人では作詞家の阿久悠さんも罹られている病気です。
情報では。手術は無事に終わったようです。

手術前の発表ではステージ1とのことで初期のがんということになります。

ステージ1というのはどういう状態でしょうか。

表1でT1というのは表2で見ていただいて腫瘍の大きさが7cm以下で腎臓にとどまっているということを指します。

がんが隣接する筋膜、静脈に広がっていたりリンパ節への転移があるとステージは上がってきます。

手術の際には腎臓や血管周囲のリンパ節を同時に取って手術後に転移がないかを確認します。

そこに転移がなければN0ということになり、最終的にステージが1であったことになります。

他の臓器や遠隔転移は術前にCTなどで確認します。

 

腎がん ステージ 2

腎がん ステージ

小木さんは片頭痛の治療で入院した際に、ついでに行った腹部超音波検査で腎腫瘍を指摘され腎がんの診断に至ったそうです。腎がんについての自覚症状はなかったので偶然診断されてことになります。

ステージ1という初期での診断ですからラッキーと言えるかもしれません。

 

腎臓は、背中寄りの腰の高さに左右1つずつある臓器です。他に2つある臓器は肺、乳房、眼、副腎がありますね。2個あると一つを切除しても残りの一つで機能を維持できるということになります。今回は罹患したほうの腎臓を摘出していると思いますが、一つは残るので問題はありません。

腎臓にできるがんには、成人に発生する腎細胞がんと腎盂がん、小児に発生するウィルムス腫瘍があります。

腎臓には、血液によって運ばれてきた体内の老廃物をこして、不要なものを尿として排泄する働きがあります。この働きがうまくいかなくなると腎不全となり老廃物を体外に排出できず、人工透析などの治療を要することになります。

その他、血圧をコントロールするホルモンや血液をふやすホルモンをつくったり、ビタミンの働きを活発にする機能があります。この機能が障害を受けると腎性高血圧や腎性貧血などの疾患になります。

腎臓には尿細管という細い管があり、ここでは糸球体という細い血管でつくられた尿のもとから水分やさまざまな物質を吸収したり老廃物を排泄したりして尿をつくります。腎がんは、この尿細管の中に発生したがんです。

腎がんは腎臓の実質から発生するがんで約80%は淡明細胞型腎がんという種類です。
腎がんの発病リスクを高める要因は、男性、肥満、喫煙、高血圧、フォン・ヒッペル・リンドウ病、バード・ホッグ・デュベ病、透析患者などです。
腎細胞がんはがん全体の2%を占めており10万人に訳6人の発症ですから発症する確率は低い部類になります。

がん 罹患率

 

診断は以下の検査で行われます。

1、腹部超音波(エコー)検査
腎がんの診断は、まず腹部の超音波検査によるスクリーニングを行うのが一般的です。偶然発見された腎がんの多くが、超音波検査によるものです。多くの人間ドックには含まれていますので、そこで診断されることが多い傾向です。腎のう胞、腎結石、腎良性腫瘍などもわかります。
2、腹部CT、MRI検査
CTは、腫瘍の有無だけでなく、血管の状態や、リンパ節転移の有無も診断できます。腎がんには造影剤を使ったダイナミックCTが有用です。がんの発見・鑑別に大きな力を発揮します。
CTで腎がんが確定できなかったり他の病気との区別が困難なときにはMRIを行うことがあります。また、腎静脈や下大静脈ががんでふさがっていることが疑われた場合は、補助的にMRIを施行してその範囲を確認します。
3、胸部X線撮影/骨CT、骨シンチグラム

腎がんは肺に転移することがあるので胸部レントゲンや胸部CTを行います。

またアイソトープを用いた骨シンチグラムで骨転移の有無を確認することがあります。

 

腎がんは比較的稀な疾患ですので積極的に予防するという感じではありませんが、肥満、喫煙、高血圧が関与しますから、やはり生活習慣を見直してなおかつ必要なら血圧の治療をするのが望ましいと言えるでしょう。

 

 

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